探偵のできる範囲~法律内でできること、できないこと~

こんにちは。今日は「探偵のできる範囲」について書いてみたいと思います。テレビドラマや映画で見る探偵の活躍は、現実とは少し違うことをご存知でしょうか。実際の探偵は法律の範囲内で活動しており、できることとできないことがはっきりと分かれています。依頼する前に知っておくと役立つ情報をお伝えします。

探偵ができること

1. 尾行・張り込み調査

探偵の最も基本的な業務は、尾行や張り込みによる調査です。浮気調査や素行調査などで行われます。公共の場所での観察や撮影は、基本的に法律の範囲内です。

対象者の行動パターン、訪問場所、会う人物などを調査し、写真や映像などの証拠を集めます。ただし、プライバシーを著しく侵害するような撮影(窓から室内を撮影するなど)はできません。

2. 聞き込み調査

近隣住民や関係者への聞き込みも、探偵の重要な仕事です。行方不明者を探す場合や、対象者の情報を集める場合に有効です。しかし、相手を騙したり、脅したりする方法は違法です。あくまで任意の協力を得る形で行われます。

3. 行方不明者の調査

家族や親族の行方不明者を探す調査は、探偵の主要な業務の一つです。最後に目撃された場所からの追跡、関係者への聞き込み、公共記録の調査などの方法で行われます。

4. 身辺調査

結婚前の相手の素性調査(いわゆる「結婚調査」)も探偵の一般的な仕事です。相手の経歴、家族構成、財産状況、健康状態などを調査します。ただし、あくまで公開情報や合法的な方法での調査に限られます。

5. 盗聴器・盗撮器の発見

自宅やオフィスに盗聴器や盗撮器が仕掛けられていないか調査することもできます。専用の機器を使って電波を探知し、不審な機器を見つけ出します。

探偵ができないこと

1. 違法な情報入手

探偵は一般市民と同じ立場であり、警察のような特別な権限はありません。以下のような情報収集は違法です。

  • 電話通話記録の不正入手
  • 金融機関の口座情報の不正入手
  • 住民基本台帳などの個人情報の不正入手
  • メールやSNSの不正アクセス

これらの情報を「入手できる」と主張する探偵事務所には注意が必要です。違法行為によって得られた証拠は、裁判でも使用できません。

2. 住居侵入

対象者の自宅やホテルの部屋などに無断で侵入することは「住居侵入罪」に当たります。ドアの隙間から室内を撮影することも違法です。

3. 盗聴・盗撮

他人の会話を無断で録音したり、プライバシーが保護されるべき場所(ホテルの部屋など)を盗撮することは違法です。

4. 恐喝・脅迫

調査で得た情報を使って対象者を脅したり、金銭を要求したりすることは重大な犯罪です。

5. 違法な探偵業務

「探偵業の業務の適正化に関する法律」によって、探偵は警察への届出が義務付けられています。無届けで探偵業を営むことは違法です。

グレーゾーンと注意点

探偵業務には法律上のグレーゾーンも存在します。例えば、公共の場所での撮影は基本的に合法ですが、あまりに長期間にわたる尾行は「ストーカー行為」と判断される可能性もあります。

また、「調査協力者」を使った調査も注意が必要です。例えば、浮気調査で対象者に近づくいわゆる「おとり捜査」は、場合によっては違法と判断されることもあります。

探偵に依頼する際のポイント

探偵に依頼する際は、以下のポイントに注意しましょう。

  1. できないことを約束する探偵には注意:「必ず証拠を掴みます」「どんな情報でも入手できます」と断言する探偵は要注意です。
  2. 調査方法の説明を求める:具体的にどのような方法で調査するのか、事前に説明を求めましょう。違法な方法を提案された場合は依頼を控えるべきです。
  3. 契約書の確認:契約書に調査方法や範囲が明記されているか確認しましょう。
  4. 届出証明書の確認:正規の探偵事務所は「探偵業届出証明書」を持っています。必ず確認しましょう。

まとめ

探偵ができることは、法律の範囲内に限られています。違法行為を行う探偵に依頼することは、依頼者自身も共犯とみなされる可能性があります。

大切なのは、探偵に過度の期待をせず、現実的な範囲で依頼することです。明確な目的を持ち、法律の範囲内で対応できる信頼できる探偵を選びましょう。

問題解決には時間がかかることもありますが、焦らず適切な方法で進めることが大切です。

【探偵業でできること】費用相場と信頼できる選び方

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